活動記録

令和6年度 一斉研修会を開催しました。

 6月13日(木)に市内18会場で「一斉研修会」を開催しました。どの会場においても、「主体的・対話的で深い学び」につながる提案授業がなされました。授業後に行った研究協議会では、学びを深める手立てや教師支援の在り方、個に応じた支援の在り方などを協議し、授業記録をもとに建設的で真摯な討論がなされました。
 各部会の専門性が発揮される一斉研修会は、私たちにとっても学びの多い、価値ある行事となりました。

 

国語

学年:小学校・4年 教科:国語

のぶよの秘めた思いを日記に書こう~『走れ』~

 本時では、物語の山場の場面を読み、主人公にからみつくいろいろな悩みが、どのようにしてほどけていったのかについて話し合いました。「家族の応援があったからがんばれた」と気づいた児童に、教師が「足が遅いのは解決していないのに、どうして悩みがほどけたのだろう。」と問いかけました。それをきっかけに、児童は叙述を根拠に、主人公の内面がどのように変化したのか、話し合いながら考えを深めていきました。友達の意見を理解しようとしたり、自分の意見と比べたりして聞くことを通して、互いの考え方の違いに気づき、自分の考えを再構築する児童の姿が見られました。

 

社会

学年:中学校・2年 教科:社会

本当の意味の平和とは?~260年あまりも続いた江戸時代から学ぼう~

 社会科歴史的分野の学習として、260年あまり大きな戦乱がおきなかった江戸時代を教材として、江戸時代の「平和」について考える授業を行いました。多くの資料を読み取ったり、大名・武士、百姓、町人など様々な立場から平和について話し合ったりと個人追究や生徒同士の協働的な学びを通して、生徒が多面的・多角的に「平和」について考え、自分の考えを深めることのできる授業を目指しました。また、今日的な課題でもある「平和」に対する考えを深めた生徒が、よりよい社会づくりへ参画しようと意識や意欲を高めていく姿が見られました。

 

算数・数学

学年:中学校・1年 教科:数学

誕生日の魔術師!~誕生日当てマジックの真相を探れ~

 前時までに、生徒は自分なりの誕生日当てマジックを作成し、その仕組みを文字式に表すことができました。また、教室に自分たちが作った問題を掲示し、一人一人が誕生日当てマジックについての考えをもてました。
 本時では、誕生日によってはマジックが成立しない例を提示することで、生徒が文字式についてより深く考えられるような立ち止まりの場面を設定しました。加えて、授業の終盤では、実際に問題作りで困っている生徒の思いを取り上げることで、学級全体でその問題を解決できるように取り組むとともに、文字式であらわすことのよさと文字式への理解をより深められました。こうした授業展開の中で、研修テーマである「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指しました。

 

理科

学年:小学校・5年 教科:理科

物のとけ方~みんなの仮説“溶ける”とは何か解き明かそう〜

 「探究する」「広げる」という学習サイクルを確立し、生活や自然の中にある疑問を探求していく単元を構想しました。条件に目を向け、調べ見いだした問題を計画的に探究する活動を通して、物の変化の規則性についての見方や考え方を養いました。
 本時では、物をたくさん溶かすために一人一人が考えた仮説を検証しました。一人一実験を行ったり、方法によってグループを分けたりすることで、児童が主体的に学ぶ姿を目指しました。また、ICTを活用し、結果や考察を共有しながら対話を行うことで、深まりのある学び合いができるような授業を展開しました。

 

生活

学年:小学校・1年 教科:生活

1雪ピカピカ探検隊~高棚小学校のワクワクを探そう!~

 学校探検で見つけた「もの」「ひと・こと」を記したカードを、「わくわく」マップに貼っていきました。図工室に広がる特大マップを「わくわく」で埋め尽くそうと、活動に没頭する姿が見られました。
 活動中は友達との関わり合いを大切にし、互いの気付きや思いを共有できるよう、タブレットを活用したり、教師が対話をつないだりしました。特に、「ひと」に焦点化を行い、自己との関わりを想起させることで、自分たちの生活を支えている「ひと」がいることへの気付きにつなげました。

 

造形

学年:小学校・6年 教科:図画工作

わたしのお気に入りの場所~見て!気付いて!!わたしの思い~

 今年で安城西部小学校を卒業することに焦点を当て、「思い出に残る自分の好きな場所について考えよう」をまくらとして、日頃の学校生活の中で何気なく見過ごしている風景を見つめ直し、風景画を描きました。児童自身の思いやイメージをより作品に表現できるように、構図の工夫に視点を置き、撮影した写真と自分の表したい思いを照らし合わせ、思いがより表れる構図についてグループで話し合いました。そこで見つけた手がかりをもとに、お気に入りの場所についてメモやスケッチを描きながら思いを深めていく姿が見られました。

 

音楽

学年:小学校・6年 教科:音楽

いろいろなひびきを味わおう

 本題材の中で「木星」の鑑賞や「ラバーズコンチェルト」の合奏を行い、音楽の構成を捉えたり、それぞれのパートの役割を生かした演奏について考えたりしていきました。また、リズム伴奏の音楽づくりを通して、音が重なることで生まれるひびきを考えました。本時では2人の抽出児の作品を取り上げ、作品の推しポイントを考えさせました。推しポイントを考える中で、子どもたちは音楽を形づくっている要素に着目すると考えました。また思いをもって工夫をしようとしている子どもには、音楽の縦と横との関係に着目できるようにさせました。授業の中で一人で考えたり全体で考えたりすることで、自分の考えを固めたり多様な考えに触れたりできるようにしました。音色やリズム、音の重なり、音楽の縦と横の関係などと、それが生み出すよさを感じ取りながら、思いや意図をもって音楽づくりに取り組む姿が見られました。

 

体育

学年:小学校・6年 教科:体育

コロコロバレー~スペシャルアタックを決めよう~

 本単元のコロコロバレーボールでは、バレーボールを転がすオリジナルのネット型ゲームです。自分たちが考えたルールに基づいた簡易ゲームを通して、今までのチームの課題を明らかにしました。それぞれのチームで作戦を話し合う中で、児童同士が考えを伝え合う姿と、ボール操作を簡素化することでより戦術にこだわったゲーム展開を目指しました。自分たちの特徴を理解し、相手によって作戦を変化させながら、協力し勝利を目指す姿が見られました。

 

技術・家庭

学年:中学校・3年 教科:技術科

50周年ひがっしーのイルミネーションをつくろう

 ブレットボードを用いて、電気回路の作成を行いました。ブレットボードははんだづけをせずに電気回路をつくることができ、電子部品と導線の付け替えするだけで複雑な回路を簡単につくることができます。生徒は東山中学校創立50周年を記念して、東山中学校のマスコットキャラクターであるひがっしーのイルミネーションをつくろうと考えました。LEDを光らせる活動をする中でフルカラーLEDに出会い、回路の組み方次第で色々な色を表現できることが分かり、よりひがっしーらしい色や魅力的な光らせ方を追求していきました。回路を組む過程で一つの答えを出して学びを終えるのでなく、問い直しから新しい視点や発想を取り入れる活動を通して、自ら工夫し創造する生徒の育成につなげることができました。

 

英語(外国語活動)

学年:小学校・4年 教科:英語

Let’s~.の表現を使って、ALTの先生たちと英語を使って遊ぼう

 本時は、Let’s~. やI like~. などを使って、自分の考えを伝えたり、Do you like~?などの既習表現を使ったりして、初めて出会うALTを自分たちが考えた遊びに誘う活動を行いました。実際にALTと遊べる場を設け、遊びを通して既習の表現や新たな英語表現に慣れ親しんでいきました。自分が話した言葉が相手に伝わる喜びや楽しさを感じ、失敗を恐れずに様々な表現や単語を用いながら友達やALTと関わり合う姿が見られました。

 

道徳

学年:小学校・3年 教科:道徳

きまりは何のため

 「きまりのない国」の資料をもとに、日常生活にある規則やきまりについて考えを深めていきました。導入では、事前に行ったアンケートから、身近にある「きまり」について出し合うことで、子供たちが自ら問題意識をもち、主体的に学び合う授業を展開しました。「きまりはあった方がよい」という子供の考えをもとに、規則やきまりがあっても守れていない様子を表した写真を提示することで、自己を見つめ直し、思考の変容を促しました。本実践を通して、規則やきまりがなんのためにあるのか考えを深めるとともに、自分やみんなを守るための規則やきまりを大切にしていこうと思いを高める姿が見られました。

 

特別活動

学年:中学校・縦割り団 教科:学活

3学年で創る最高の緑団を目指そう!

 体育大会に向けて、よりより団にしていくために3学年が集まって、互いの意見を発表し合う活動を行いました。事前に意見を考え、当日不安なく言えるように準備はしましたが、自然に会話が進められるようにアイスブレイクを3年生が用意しました。生徒が主体となって団活動を進めるために、団全体の司会進行を団長が、グループ活動の取り回しを3年生が中心となって行いました。各自、各班の意見が視覚的に捉えられるようにタブレットの発表ノートを活用したり、プロジェクターを使用したりして、全体でも共有して見られるようにしました。

 

総合学習

学年:小学校・4年 教科:総合

みんなにやさしい町~きれいな桜林のまち~

 地域のごみのポイ捨て問題に目を向け、自分たちにできることを考えて行動していきました。ポイ捨て問題を自分事として捉えることができるようにするために、通学路や公園のポイ捨てされているごみの量を調べたり、ごみの問題についてインタビューしたりする機会を設けました。
 本時では、学級での話し合いを通して、「なぜポイ捨てをしてはいけないのか」について、多角的に考え、自分事として捉えることができるようにしました。

 

特別支援教育

学年:小学校・特別支援学級 教科:道徳単元

どうしてうまくいかないのかな

 「どうしてうまくいかないのかな」の資料には、何をやってもうまくいかないと思い悩む主人公が、家族の言葉をきっかけに自分のよさを見つめる姿が描かれています。本時では、児童は主人公の心の変容をハートメーターを用いて視覚的に考えていきました。次に、頑張る自分の姿を写真や動画で客観的に見たり過去の自分と比較したりしながら、自分自身に目を向けていきました。さらに、友達や先生・家族にも自分のよさを花の付箋に書いてもらい、画用紙いっぱいに花が溢れることで、自分のよさを実感していきました。
 本実践を通じて、できないことや苦手なことに目を向けがちな児童が、自分のよさに気付くことで自分を好きになれるということを実感し、長所を大切にしていこうと思いを深める姿が見られました。

 

図書館教育

学校司書との連携

 今年度の重点研究テーマである、「学校図書館を利用した授業実践」「児童・生徒が活躍する学校図書館づくり」を目指し、学校司書、図書情報館、各担任と連携していく方法を協議しました。
 児童・生徒が楽しめる図書館づくりや図書を活用した授業実践について、他校の実践や学校司書との協議を通して、考えていきました。

 

養護

学年:小学校・6年 教科:体育科保健領域

生活のしかたと病気の予防『健康SDGs』~将来の健康のために今できることを考えよう~

 児童の生活習慣が保護者の管理から離れて自立していくこの時期に、病気の原因と予防とを結び付けて理解することで個々の生活習慣の改善をめざしました。将来なりたい健康的な姿をイメージし、「生涯にわたって健康な生活を送る」ことをとらえやすくするために、「SDGs」という言葉を用い、学級の「健康SDGs」をいくつか考えました。そして今回の授業では、自分が選んだ「健康SDGs」に近づくための「マイプラン」を考え、グループや学級全体で聴き合う活動の中で、効果的な「立ち止まり」の発問により思考を揺さぶり、自分に最適な「マイプラン」かどうかについて見直すことができる姿が見られました。

 

情報教育

学年:小学校・3年 教科:算数

3年3組〇〇ランキング

 分かりやすい棒グラフを作るための工夫を学びました。本時の前半では、タブレットの「発表ノート」を使い、分かりやすい棒グラフに作り変える活動をしました。後半には、グループ活動の中で相談したり、アドバイスを出し合ったりしながら、各自で一つの棒グラフを作り、その工夫を発表しました。児童が学び合いながら、相手意識や目的意識に沿った分かりやすさを追究していきました。タブレットの活用を通して、学びを深める児童の姿が見られました。

 

学校事務

教育環境の向上を支援する学校事務~研究成果を教育環境へ届けるために~

 市内小中学校の事務職員たちが、その立場から教育現場を支援するための知恵を出し合い、協議しました。
 本年度の副題は「研究成果を教育環境へ届けるために」です。学校事務部は、事務の効率化や適正化が教育環境の向上につながるものだという理念のもと活動しています。今回はこの理念に立ち返り、研究内容がどのように教育環境の向上につながるか、深く考えることで学校事務職員だけに留まらない研究のあり方を模索しました。